忖度と空気を読むの違いとは?正しく使い分けるためにわかりやすく解説!

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皆さんは、2017年に政治的な問題で取り上げられ、
更にはその年の流行語にも選ばれた「忖度(そんたく)」という言葉をご存知でしょうか。

日常会話ではあまり使われない言葉ですので、意味もよく分からない、という方もいらっしゃるかと思いますが、「忖度」とは辞書で調べてみると

「他人の心情を推し量ること、または、推し量って相手に配慮すること」とあります。

同じようなニュアンスの言葉に「空気を読む(今はKYともいう)」という言葉がありますが、
こちらは割とよく使われるのでご存知でしょう。

念の為、辞書で調べてみると

「その場の雰囲気から状況を推察する。特に、その場で自分が何をすべきか、すべきではないか、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する。」となっています。

「推し量って配慮する」と「憶測して判断する」

どことなく似ている意味のようなこの二つの言葉ですが、実は中身は全く違うんです。
今日は、その違いや使い方などについて解説してみたいとおもいます。

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「忖度」と「空気を読む」その違いとは?

まず「忖度」と「空気を読む」の大きな違いを簡単に言うと、
「当事者がその場に居なくても、常に状況を推察して行動する」のか、
「当事者がその場に居て、一時的に状況を判断して行動する」のか、という事です。

「忖度」と「空気を読む」という言葉は、ほとんど同じような意味として
使われているものですが、「忖度」は「その場に当事者が居なくても」行動することが出来、
常日頃から広くその当事者に対して意識を向けているような状態を意味しています。

いかにも日本人らしい、相手への気遣いを感じる事の出来る言葉ですが、
外国には、この「忖度」に当てはまる単語が見当たらず、説明するのが大変なようです。

それもその筈。

江戸時代辺りの日本には、民主主義の理念や、その理念にのっとった法や手順が整えられていなかった為、とりわけ上下関係の厳しい武家社会において、「上を忖度し、下に忖度させる」という社会が出来上がっていたと言われています。

忖度とは?

「相手が言葉にしていない心の内側にある色々な感情の動きを、
推測して理解しようと努力する」ことを意味する「忖度」という言葉は、
そういった歴史から生まれた、日本独特の言葉なのでしょう。

空気を読むとは?

一方、「空気を読む」という言葉も、基本的には
相手に対する気遣いを意味する言葉ですが、
こちらは「その場に当事者が居合わせた状態で」というのを前提としています。
その上で、一時的な状況や雰囲気を察し、適切な行動を取ることを意味します。

「忖度」よりも、その場限りで一時的なものであり、
その場だけが上手く収まれば良いという考え方ですが、
別の言い方をするならば「雰囲気を理解する」ということです。

その場の雰囲気や状況を肌で感じ、
その場で自分自身がどういう行動を取るべきなのかを判断する。
これを「空気を読む」と表現します。

「忖度」「空気を読む」は大切な事!でも読み過ぎるのは逆効果

日本社会において「忖度」や「空気を読む」ことは、とても大切な事ですが、
「忖度し過ぎる」「空気を読み過ぎる」のはかえって逆効果になってしまいます。

なぜなら、それは「相手がそこまで望んではいないのに、
深読みして勝手な判断でやっている」というふうに捉えられてしまうからです。

「忖度」や「空気を読む」という行動は、
相手のことを思いやる気持ちから生まれるものですが、
「忖度し過ぎる」または「空気を読み過ぎる」人の思考は、
「その人の為に自分が一肌脱いだのだから、
自分は評価されて当たり前だ」という、自分中心の考え方に陥ってしまいがちです。

「過ぎたるは及ばざるが如し」ということわざにもあるように、
「やり過ぎる事は、やり足りない事と同じように良いこととは言えない。

良いと言われる事でも、やり過ぎは害になる。」と言います。
ですから、適度な配慮を持って相手を敬うように心掛けるのが良いでしょう。

まとめ

最近良く使われる「KY」という言葉は、一般的にはあまり良い意味で使われず、
むしろマイナスの意味合いを強く持っています。

空気が読めないと、良い結果にならない場合も多いですが、
だからと言って周囲の状況に意識を傾け過ぎるのも疲れてしまいます。

私の好きな言葉に

「惻隠の心は仁の端なり(そくいんの こころは じんの たんなり)」

という言葉があります。

意味は、「人の不幸を哀れみ、痛ましく思う心は、思いやりを身に付けるための糸口になる」
というものです。

そんな気持ちで人と接することが出来れば、きっと良い結果が出るような気がします。
ご参考になれば幸いです。

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